県内4野党が共同街宣 1000人委員会徳島が呼びかけ

共同して訴える、(左から)共産党の上村県委員長、民進党の仁木県連代表、新社会党の長谷川県委員長、社民党の小林県常任幹事

 労働組合や学者、弁護士など45の団体・個人で構成する「戦争をさせない1000人委員会徳島」は1日、徳島駅前で県内4野党代表を招いて共同街宣を行い、共謀罪阻止を呼びかけるビラを配布しました。

 「1000人委員会徳島」事務局長で、昨年の参議院選挙で徳島・高知選挙区で野党統一候補として奮闘した大西聡弁護士があいさつ。日本共産党の上村秀明県委員長、民進党の仁木博文県連代表、社民党の小林雄樹県連常任幹事、新社会党の長谷川吉正県委員長がマイクを握りました。

 司会をつとめた徳島人権・平和運動センターの好野祐司事務局長は「衆院選で安倍政権を退陣に追い込むため、1000人委員会として野党4党が共同する機会をつくり、野党共闘実現へ全力をあげる」と力を込めました。

 大西事務局長と各党代表の訴え(要旨)を紹介します。

「ともに声をあげよう」1000人委・大西氏

「戦争させない1000人委員会徳島」の大西聡事務局長

 大西氏は、共謀罪について職場でのグチや、ATMからのお金の引き出しなど具体的な例をあげて、「組織犯罪集団の定義も、何が準備行為かもあいまいで、こういった市民の普通の行為が処罰の対象とされる危険性がある」と強く警告しました。

 さらに「戦前の治安維持法も『一般の人には関係ない』として作られたが、学者や一般市民まで対象とされた。戦前のような監視社会の復活を許してはならない。共謀罪は必要のないものだ。おかしいことはおかしいと、ともに声をあげよう」と呼びかけました。

「本気の共闘実現を」共産党・上村氏

日本共産党の上村秀明県委員長

 上村氏は森友学園問題での「しんぶん赤旗」のスクープや、国会での同党議員団の追及を紹介し、「世論と運動で政府を追い込もう」とのべました。

 さらに、「共謀罪を政府は『テロ対策のため』というが、日本はすでに13のテロ対策条約を結び、57の重大犯罪に関してはすでに準備段階で処罰でき、共謀罪は必要ない。狙いは市民社会を監視することにある」と強調。「戦前から反戦平和を貫いた党として、共謀罪を廃案にするため、みなさんとともに全力を尽くす」と力を込めました。

 そして、衆院選挙にむけて「中央レベルでの協議に真摯に取り組み、本気の市民と野党の共闘実現へ全力をつくす」と決意をのべました。

「民主主義を取り戻す」民進党・仁木氏

民進党の仁木博文県連代表

 仁木氏は、南スーダンPKO部隊の「日報」を隠していた問題を、「戦闘となれば派遣理由がなくなるからだ」と厳しく批判。共謀罪について、「政権に都合の悪い団体・個人を根こそぎにしようとするものだ。いま日本の民主主義が危うい。安倍政権を倒し、真の民主主義を取り戻そう」とよびかけました。

「共闘で共謀罪阻止を」社民党・小林氏

社民党の小林雄樹県連常任幹事

 小林氏は、「共謀罪は過去3回廃案になったものと、その本質は変わらない。日本の法体系は基本的に既遂・未遂でないと処罰されない。それを準備段階どころか、話し合っただけで処罰の対象にするものだ」と批判。「政府の狙いは国民を監視下に置こうとするものだ。衆院選に向け野党共闘を実現させ、共謀罪を廃案にするためにも野党は力をあわせよう」と訴えました。

「野党共闘の一翼担う」新社会党・長谷川氏

新社会党の長谷川吉正県委員長

 長谷川氏は、「共謀罪は『平成版治安維持法』だ。戦前も治安維持法の下で、じゃまになる団体・個人を弾圧し戦争への道へと突き進んだ。今回は安倍首相の狙う憲法改正のために、反対運動を押さえ込むのが共謀罪の目的だ」と指摘。「何も言えない社会、戦争する国づくりを許してはならない。衆院選での野党共闘で自民党一強体制を打ち破ろう。わが党も野党共闘の一翼を担って全力あげる」と決意を込めました。