75回目の終戦記念日は、新型コロナウイルス禍のもとで迎えました。軍事費を削ってコロナ対策を進めて欲しいとの願いに安倍政権は応えず、今年度も過去最高の軍事費を更新し、閣僚の靖国参拝など、憲法9条の改悪に執念を燃やしています。終戦の日にあたり犠牲となられた方々に哀悼の意を表すると共に、コロナ禍のもとで国民の健康と生活を守り、憲法9条を生かした平和な日本を築くために全力をあげることを強く誓っています。
同時に被爆から75年となりました。3年前に国連で採択された「核兵器禁止条約」は、核保有国による妨害を乗り越え、現時点で82カ国が署名し、44カ国が批准しました。条約発効に必要な50カ国の批准まであと少し。唯一の戦争被爆国である日本が参加しないなどあり得ません。安倍首相は広島と長崎の平和式典での挨拶でも「核兵器禁止条約」について一切触れず、「核抑止力」を口実に、被爆者や国民の悲願に背を向け続けています。市民と野党の共闘で安倍政権を終わらせ、被爆者と圧倒的多数の国民が望む「核兵器禁止条約」に参加する新しい政府をつくることが求められています。
私は医療現場で働き人の命の尊さを肌身を持って実感してきました。その命を一瞬にして奪う戦争や核兵器の恐さを患者さんたちから直接学んできました。被爆し、家族の中で自分だけが生き残り、命あることを申し訳なく思いながら生きてこられた患者さんが、頑なに閉ざしていた口を開き「戦争だけはいかん」と語られた言葉を忘れることはできません。