県の最賃793円に 労連らの異議を却下、格差拡大

県の最賃793円に 労連らの異議を却下、格差拡大

申し出を行う徳島労連の森口事務局長

 徳島労連と、とくしま生協労組は19日、徳島の最低賃金を時給793円とする徳島地方最低賃金審議会の答申に対する異議申し出を行いました。

 徳島労連は中央最低賃金審議会が示した目安額26円を1円上回る27円引き上げとしたことは評価するとした上で、「793円では最低生活を保障する水準にはならない」「東京との賃金格差は220円に広がった」として、時給1000円以上、全国一律の最低賃金制度とすることなどを求めています。

 とくしま生協労組は、最低生活を行うには全国どこでも月額約23万円、最低賃金1500円が必要との調査結果を示し「793円ではセーフティネットとなり得ていない」と批判し、中小企業への支援を抜本的に強化することを求めています。

 申し出を行った徳島労連の森口英昭事務局長は「与党からも『全国一律の最低賃金を』との声が上がる中で、東京との格差が広がることはおかしい。大幅な地方の賃上げこそ必要だ。地域間格差をなくすといいながら、やっていることは真逆だ」と批判しました。

異議審で豊田氏陳述

 徳島労連、とくしま生協労組などの異議申し出をうけ、徳島地方最低賃金審議会は21日、徳島市内で審議会を開きました。

 審議会では、とくしま生協労組の豊田門郎書記長が意見陳述を行いました。

 豊田氏は、自らが過去3回にわたって行った、最低賃金での生活体験を紹介し「最賃生活中の食事を計算してみると、タンパク質で78.6%、炭水化物39.2%など、すべての項目で必要栄養素を下回った」とのべました。

 さらに「フランスでは中小企業への社会保険料負担補助は3年間で2兆2800億円にのぼる。一方で日本の中小企業支援は87億円。しかも生産性向上のための業務改善資金の補助で、使い勝手がわるく、ほとんど活用されていない」と批判しました。

 そして「労働者と経営者が一致して、経済の活性化をはかるために、最低賃金の大幅引き上げとともに、中小企業への支援を抜本的に強化することを求める」とのべました。

 異議申し出は他に、県経営者協会、県商工会連合会が連名で「(最賃は)中小企業の経営状態から考えるべきで、27円は過大。10円程度が適当」との趣旨を文書提出しました。

 徳島地方最低賃金審議会の上原克之会長が「労使の意見が大きく隔たるなかでまとめた答申だ。異議は却下としたい」とのべると、経営者委員の一部が激しく反発。審議は紛糾しましたが、採決の結果、経営者委員5人のうち3人が反対。労働者委員、公益委員全員の賛成で異議は却下され、日根直樹徳島労働局長に、時給793円とする答申書が手渡されました。

 この最低賃金は10月1日から適用されることになります。

――――徳島新報2019年8月25日号より

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