憲法の理想を現実に 「出前授業」でDVから憲法学ぶ

憲法の理想を現実に 「出前授業」でDVから憲法学ぶ

「出前」で授業を行う麻生准教授

 つなぐ阿波女の会は18日、徳島市内で鳴門教育大学大学院の麻生多聞准教授を招いての8回目となる連続講座「憲法の出前授業」を行いました。今回のテーマは「DVと憲法14条」です。

 麻生氏は、DV被害者の95%が女性であることを示し「一般的に男性の方が力が強いというだけではない。男女間の雇用差別からくる『だれの稼ぎで食っている』という誤った意識、男性優位社会のなかで刷り込まれる根拠のない優位意識、この3つの優位性を背景に女性が被害者となっている」とのべました。

 さらに女性の約17%がDV被害にあい、生命の危険を感じたという人が3%にものぼる深刻な実態を告発し、「夫婦関係を暴力で支配することは、憲法24条の『夫婦が同等の権利を有する…』とした規程に違反することはあきらかだ」と批判しました。

 そして「DV防止法が成立したのは2001年。あらゆる差別を禁止した憲法14条があっても、解決の一歩が始まるまでにこれだけの時間がかかった。しかしこれは、憲法の理想を実現するための大きな一歩をかちとったことになる。憲法9条の平和主義も一歩ずつその理想にむかっていくべきものだ」と、憲法を現実に合わせろという改憲派の議論を厳しく退けました。

 さらにシェルターなど、DV防止法によって設けられた安全確保策と生活再建支援策を詳しく紹介し、「加害者は『依存症』なので、必要とする被害者をあらゆる手段で捜そうとする。実家や友人宅などに逃げることは危険だ。また専門的な教育を受けていない地域の交番に駆け込むことは避けるべきだ。県や各市町村に設置されている『配偶者暴力相談支援センター』などに相談を。ここなら絶対に居場所を秘匿してもらえる」と紹介しました。

 その後参加者からの「DVへの刑罰を重くして、見せしめにするべきでは」「加害者に対する教育が必要では」などの意見に対し麻生氏は、「刑罰の基本目的は矯正だ。抑止論で刑罰を論じるべきではない」「社会全体での教育は必要だ。それを前提としたうえで、法が介入しなければならないほどのDV加害者はすでに『依存症』だ。教育で改善できるレベルではない」と答えていました。

 次回は3月25日(日)午前10時から、徳島市の沖洲マリンターミナルビル2階で「性的少数者の権利・性同一性障害について考える」のテーマで行われます。資料代として毎回500円が必要です。

――――徳島新報2018年2月25日号より

« »