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ねぇねぇ、「パラダイス文書」って知ってる?
なにそれ。お姉ちゃん、南の島に旅行でも行くの?
ちがうわよ!パラダイスはパラダイスでも、大企業や大富豪にとってのパラダイス、租税回避地の話よ!
ソゼイカイヒ…?むずかしい言葉はわかんないよ~!
ホッホッホ。「租税回避地」というのは、一般的には「タックスヘイブン」とも呼ばれておるんじゃが、いくつかの税金が安い国のことじゃ。
大企業や大資産家は、もうけたお金に税金がかからないように、こういった国を利用しておるんじゃよ。税金を払う義務から法律の網の目をかいくぐって逃れて、もうけを溜め込むために、課税率の低い国が使われるわけじゃな。
へぇ~。つまり、もうけたお金を税金が安いところに移して、税金の取り立てから逃げてるってこと?
そういうことじゃな。そして、「パラダイス文書」というのは、世界の大企業や大資産家、著名人が、その「タックスヘイブン」を利用して税逃れや資産隠しを行っておる実態を示した文書なんじゃよ。
それってもしかして、すっごいスクープ!?
その通りよ!世界中で大騒ぎになったわ!文書では、世界の名だたる大企業や著名人、さらには首脳や閣僚、王室関係者まで「タックスヘイブン」を利用したり、関与しているっていう事実が示されているのよ。
たしか、あの「アップル」や「ナイキ」といった大企業も文書にのっておるらしいのぅ。
著名人で言えば、英国のエリザベス女王や、日本の鳩山由紀夫元首相も「タックスヘイブン」を利用しているとされてるわね。
すごい!聞いたことある名前ばっかりだ!
他にも120人以上の著名人や、100をこえる多国籍企業が「タックスヘイブン」を利用・関与していることが明らかになっておるんじゃ。
そんなにたくさんの人が、税逃れなんて悪いことやってるの!?
そうよ。国際NGOのタックス・ジャスティス・ネットワーク(TJN)の調べでは、世界での多国籍企業による税逃れで失われる税収は、年間5千億ドル(約57兆円)にもなるんだって。
うむ。それに、富裕層の税逃れで失われる税収は、年間2千億ドル(約22兆8千億円)にものぼるらしいのぅ。
世界の富裕層と貧困層の格差がどんどん広がっているのも、こういう税逃れが、富裕層の間で横行してるのが要因のひとつなんじゃないかな。
もしも、これだけの税収が失われずに世界の国々の財源になっていれば、貧しいために命を落としたり、教育を受けられなかったりする人も、もっと少なくできるはずよ!
まったくその通りじゃのぅ。こういう「税逃れ」には、政府がしっかりと実態を把握して、対策をしなければならん。
こんな大問題なのに、日本政府はなにも対策してないの?
日本政府も一応は「タックスヘイブン税制」というのを作って、税逃れ対策に乗り出しておるんじゃ。しかし、いかんせん抜け道が多くてのぅ。税逃れのための子会社設立の実態も、政府は十分に把握できていないような状態じゃ。
そんな!それじゃ、大企業やお金持ちはまだまだ税逃れし放題じゃん!ボクのフトコロから消費税をむしり取る前に、お金持ちからちゃんと税金を取ってよね!
そうよね。国を挙げてしっかりと抜け道をふさぐ対策をしてほしいわ。それに、これは国際的な大問題でもあるんだから、国連とかで協議して、各国が連携してしっかりとした対策をしていってほしいわね。
そうじゃな。そのためにも、わしら市民がこういった問題をちゃんと認識して、世界各国のリーダーたちに問題解決を要求していかなければならんのぅ。